悪運が強いエスサキ
投稿者:レイレサ (64)
随分昔に知人から聞いた話です。
多少フェイク入れてます。
知人がまだ若かった頃の職場での出来事です。
知人の職場にはベテラン従業員のエスサキ(仮名)がいました。
エスサキは女性でありながら、かなり豪快な言動で目立つ存在だったそうです。
豪快だから細かいことを気にしないかと言われたらそうでもないみたいです。
ちょっとでも気になることがあったらネチネチと嫌味を言うようなみみっちいところもあったそうです。
そのエスサキがどういった経緯で職場にやってきたのかというと、社長から声がかかって働くことになったとのこと。
社長と顔見知りということで、声がかかったことを常に自慢げに話しているのです。
「私、別にここで無理に働かなくてもいいんだけどぉ~、社長がどうしてもって言うから来てあげただけなの」
こういう感じで嫌味ったらしい喋り方をするもんだから、会社の従業員のほとんどがエスサキのことを嫌っていました。
ただ、エスサキのネチネチ攻撃や社長の後ろ盾があることが怖かったようで、みんなエスサキと仲良しのふりをしていただけなのです。
知人も最初はエスサキの機嫌を損ねると嫌味攻撃で精神的にやられるかもしれないと思い、どんな嫌なことがあっても耐えて我慢していました。
ところがある日のことです。
先輩がかなり不機嫌な様子で知人に文句を言ってきたのです。
「どうしてウェットティッシュのフタを開けっ放しにしたの!?」
知人は心当たりのない出来事で頭にハテナマークがついてしまいました。
先輩が続けてこう言います。
「あなたがトイレ掃除した後の掃除用具入れにあるウェットティッシュのフタが必ず開いてるの、他の人の時はないのにあなたが掃除した後にだけこんなことになってるの!」
知人はマメな性格だったために、開けたものは必ず閉める人でした。
それなのに、知人がトイレ掃除をした後は必ずフタが開けられていたのです。
先輩から「ウェットティッシュのフタ開けっ放しにしないで!」とかなりきつく注意されてしまいました。
他の先輩が間に入って話をしてくれたことで、誤解は解けました。
ですが、知人はウェットティッシュのフタを開けっ放しにした犯人をこっそりと捜すことに決めたのです。
知人がトイレ掃除をした後に掃除用具入れの近くをウロチョロしている人がいないか他の従業員にも頼んでチェックしてもらったところ、エスサキが入っていくのを目撃した人が数名いたのです。
知人はエスサキを呼び出して問い詰めますが、「私、し~らない!」とニヤニヤしながら否定されてしまいました。
知人は先輩に注意されて困ったことを説明したのですが、エスサキはそれでも「私には関係ないしぃ」と知らないふりをされてしまいます。
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