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心霊

アイミさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

「心残り」マキちゃんに捧ぐ
長編 2021/12/20 22:35 4,227view

これは私が、高校3年生の時に体験した実話です。

季節は、8月中旬でした。
夏休み中の私は、エアコンの効いた1階リビングに、毎日のように入り浸っていました。
私の部屋にはエアコンがないからです。

その日は、23時過ぎにいつものように、私は1階のリビングで充分に涼んだ後、
急いで2階の自分の部屋に行き、ベッドにもぐりこみました。

身体が冷え切っているうちに、眠ってしまうのが習慣になっていました。
私の部屋は和室だから、比較的過ごしやすかったので、特に不便を感じませんでした。

「まあ窓を少し開けておけば、夜風が入り込んで涼しいからね…」

カサ、カサ、カサ…

どこからか、こんな音が聞こえてきました。
私はその音で目を覚ましてしまいました。

時計を見ると深夜の3時。

私は一瞬
「大きな木の小枝が風に揺らされ、葉がサラサラと音をたてたのかな」と想像しました。

窓を閉めて、もう一度眠ろうとしたその時、ふと思い出しました。

「そうだ…ここは住宅街だった…」
「こんな音を立てるほど、たくさんの葉を付けた木々はない…」
もう一度起きて、窓の外の景色を見ると住宅がびっしり立ち並び、緑なんて全く見えませんでした。

この家に引っ越して、まだ1か月ほどしかたっていなかったから、私は家の周りをすぐに思い出せなかったのです。
少し気になりましたが、眠さが勝ちそのあとは朝の7時まで目ざめませんでした。

そして、翌日の夜…。

また、どこからともなくカサ、カサ、カサ…と、音がしました。
「この音…昨日も聞いた…」

「木の葉が擦りあう音じゃないなら…」
「そうだ!きっと私、さっきまで開いていた現国の教科書をしまい忘れてた」
「だから窓から入った風が、デスクの上の教科書をペラペラとめくっているんだ」
教科書を引き出しにしまおうと、起き上がった私はすぐに思い出しました。
「違う…寝る前にちゃんと教科書を引き出しにしまったんだった」
「じゃあ、さっきの音はなに?」
風が揺らした、木々の擦りあう音ではなく、教科書のページが風でカサカサと揺らされた訳でもない…
考えているうちに、気味が悪くなってきました。
「空耳?」
「それとも寝ぼけてるのかな…?」
そう思いながら時計を見ると、夜中の3時でした。
昨日と同じ時刻でした。
2日続けて奇妙な現象に寒気がしてきたので、窓ガラスを閉め私は布団を頭からかぶり寝てしまいました。

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