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心霊

PCHさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

真夏のスキー場のコテージ
長編 2021/11/29 21:49 3,175view

昔、友人が父親から譲り受けたスキー場のコテージで、毎年真夏にバーベキューや川遊びをして、そのまま宿泊するのが恒例となっていた時期がありました。

初めて誘われた年は、2年目の集まり。
真夏のスキー場なので、電気は止まっているけど、トイレも水道も使えるし、布団もある。近くに凄く良い温泉もあるし、参加する人は知り合いばかりと言われ、女が参加しても困る事はなさそうだし、楽しそうなので、すぐに行きたいと伝えたのを覚えています。
 
その時に『去年、初めて企画して、皆んなを呼んだのだけど、心霊現象みたいな事があった』と言われてはいましたが、そんな現場に遭遇した事は1度もないし、気のせいだったのではないかと、半信半疑でした。
元々、怪奇現象などは信じていないし、映像は意図して作られた物で、作り話だと思っていました。
 
いざ行ってみると、真夏のスキー場は避暑地としてはとても快適で、空気の澄んだ田舎のバーベキューは楽しい限り。暗くなる前にランタンを準備したり、食べ物は全て片付ける。
田舎の山奥だと、夜中に肉などを外に置いておくとクマが現れるらしい。

ランタンの灯りのみの室内は、まるで肝試しの状態ではありましたが、バーベキュー後の温泉も快適だったし、気の知れた友人達との時間は楽しくて、聞いていた心霊現象の話しもすっかり忘れていましたが、夜中に初年度参加した人が、その話しをし始めました。

 
初年度も、夜中まで飲みながら話したりと、とても盛り上がっていた。そして、丁度日付が変わる頃に、突然コテージの電話のコールが1度だけ鳴った。
 
それだけなら、特に不思議ではないし、いたずら電話で済ませられる。だけど、場所は真夏のスキー場。営業していないこの時期に、コテージを借りたいと電話してくるはずがないし、持ち主の友達曰く、そもそも時期的に電気も電話も繋いでないはずだ、と言うのです。

今年も鳴るかもしれない、そう思って携帯電話の時間を見ながら、日付けが変わるのを待ちましたが、その年は特に何もありませんでした。

『今年はないかぁ……。去年は本気でビビったし、何だったのが凄く気になるんだけどなぁ……』

たしか、そんな会話をした覚えがあります。
友人達に嘘を言っている気配は全くなく、結局謎のままでした。
 
そして、その翌年、翌々年と、また同じようなメンバーで集まり、とても楽しい時間を過ごしていました。

私が参加してからは特に不思議な事は何もなく、初年度の不思議な電話の話しも忘れかけた頃、ついに不思議な現象の現場に居合わせる事になりました。
 
既に日付けも変わり、外で話している人もいれば、眠い人は空いている部屋で寝ていました。飲み足らない人、話したらない人は起きている。そんな状況。
 
私もそろそろ眠ろうかと思って、部屋に入って寝ようとしていました。

リビングで起きていた人は2人で、片方はいたずら好き。寝はじめた人のところに行っては寝顔を撮影するという事をしていて、元々寝付きの悪い私は、いたずらで少し眠気が覚めてしまい、寝付けずに起きていると、個室ではなくリビングから携帯電話のカメラのシャッター音が聞こえてきました。

どちらかが寝落ちしたから、また撮影しているのかと思いましたが、2人が話しているのが聞こえてくる。

何かしら物を撮影したり、携帯電話をいじっている時に間違えて撮影をしたのかもしれない。だけど会話の感じに違和感があり、『何だろう?』そう思ったので、起きて『寝付けなくなった。シャッター音聞こえたけど、何かあったの?』と話してみると
 
『何もしていないのに、勝手に動いた』

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