古いエレベーターとヨボヨボのおばあさん
投稿者:二槽式 (6)
私が以前働いていた職場の話です。
職場は5階建てのビルでビル自体も古くエレベーターも掃除はしてあり綺麗ではありましたが、やはりそれなりに古かったです。
勤めて2ヶ月ぐらい経った頃、エレベーターがおかしな動作をしているのに気づきました。
時たまなのですがエレベーターに乗ろうとした時、上も下もどこのボタンも触っていないのに勝手にエレベーターが開くんです。
最初はセンサーでも付いているのか思っていましたが社員の方に聞くとそうでもなく、時たま起こるただの不思議な現象という認識のようでした。
ロビーには定期的なエレベーターの点検日が毎回貼っていましたが、それでも直らないところをみると、もうこういう不思議なエレベーターなんだなと割り切って使うことにしました。
それでもどう見ても人がエレベーターの前にくる前に開いていたり、今度は開かなかったりと気まぐれなエレベーターで、途中で止まったりしなければいいけどと不安に思うことが増えてはいきました。
ですが実はそもそも社内ではどう見ても社員ではないおばあさんがいたなどおかしな噂が少しあり、まだエレベーター程度で済んでいる自分はラッキーだなとも思っていました。
そんなとき自分もそのおばあさんをたまたま廊下で見かけます。
明らかに社員の方でも清掃員の方でもなく、どこからきたんだ?と思わせるぐらいヨボヨボでした。
どうしようと思い目線を少し外すとすぐいなくなってましたが、すぐ廊下を曲がったあとにあるエレベーターは誰もいないのにしっかり開いていました。
さすがにあのヨボヨボな体で階段は無理があると思います。
もうこのときは急におばあさんが消えたという認識で頭がいっぱいで、何も害がなければもういいやと思うようにしました。
実際害はありませんでしたし引越しを機にそこを辞めたので怖い思い以外なにもありませんでしたが、そのおばあさんを見たことがある人にこのことを相談した際、絶対におばあさんに話しかけないでねと言われたのは未だに覚えています。
理由を聞いても私も別の人にそう言われたからとのことでした。
ただ今考えると話しかけた方が過去いてあまりよくない結末になったんだなとわかるので、運良くおばあさんを見かけただけで済んだことに今はほっとしています。
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