不思議なKさんと奇妙な友達
投稿者:二槽式 (6)
親の知人Kさんの話です。
Kさんは小さかった私とよく遊んでくれる優しい人でした。
私はというと晴れて小学生になり、ようやくこの世に心霊写真という不思議なものがあると理解してきた頃です。
ある日Kさんと家に遊びにきた友達含め、3人でたまたまやっている心霊番組を見ていました。
1枚1枚丁寧に霊能力者の方が心霊写真を解説していく番組でぼーっと見ていたのですが、ある1枚の写真に対してKさんが、これは偽物だと言い始めたのです。
その写真はあるはずの腕がない写真でした。
私から見たら腕がくっきりなくなっているので嘘の写真なのかどうかなのか、私にはよくわからなかったのですが、番組で霊視が始まり霊能力者の方もこれは偽物だと声を上げていました。
なぜテレビより先に今私の隣にいるKさんはそれがわかっていたのか不思議でなりません。
どうしてどうして勢いよく聞く私に対してKさんは、自分は霊が見えていると淡々と教えてくれました。
好奇心が強い私は、無我夢中で私が住んでいる家には霊がいるのかと聞きました。
Kさんは少し困りながら、そもそも今一緒にテレビを見ている君の友達が幽霊だと静かに、ゆっくりと教えてくれました。
それこそ意味がわかりません。
特にまだ6歳ぐらいだった自分にはなにがなんだかわからず、その後普通に番組は終わり友達は気づいたら帰っていた気がします。
全く理解ができないままこれといって怖い思いもなく、また別の日に来たKさんとも友達とも遊んでいたと、あとから両親に教えてもらいました。
なにせ現在20代後半の私はその頃Kさんと遊んだ記憶はあるのですが、友達の記憶はなぜかばっさりありません。どんな容姿だったのかも全く覚えていません。
親が言うにはその友達はただ単に遊びに来ている霊でなにも悪くないと、Kさんは言っていたそうです。
ただ当時親は当然ですがかなり困惑していて、毎回見えない友達と遊ぶ私を本当に心配していたそうです。
特にその友達ならまだしも外でもそれなりに私は幽霊が見えていたそうで、どうしてずっとあそこにあの女の子は立ち止まっているのかなど、親を困らせていたみたいです。
全く見えない親は、あなたには悪いが適当に返答するしかなかったと最近ぽつぽつと話してくれました。
ただこれら含めて私は全く記憶がなく、今は何一つ見えません。
一体何が原因で見えていたのか考えているうちに一つ思い出したことがありました。
その頃あのよく遊んでくれていたKさんと頻繁に会っていたというものです。
Kさんとは私が小学高学年になったあたりから会っていません。
実家が引っ越して転校したのが大きな理由です。
親が言うにはそれを境に私の口から不思議な話をすることはなくなったそうです。
わたしからしたら怖い思いもしていませんし、
記憶もないので幽霊に対して悪い思い出は一つもありません。
仮にKさんが原因でもよく遊んでもらっていた記憶しかないため責める気もありません。
ただ私の周りは当然と言いますか見えないのもがそこにいる恐怖を味わったことには変わりないため、本当に今あなたに不思議なことが起きなくなってよかったと時たま言われます。
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