二階に住む遊び相手
投稿者:ヤンニョム (1)
これは私が、祖母の家で体験したお話です。
祖母の家は昔、下宿屋を営んでいました。
二階建ての古い大きなお家。
二階には、以前下宿屋のお客様を泊めるために使われていた客室が7部屋ありました。
階段を登ってすぐ、左手にある部屋が私の遊び部屋でした。
私は二階の部屋を使い、近くに住む親戚のお兄ちゃんとかくれんぼをするのが大好きでした。
私が5歳のある年の年末、近くに住む親戚が集まりみんなで年越しを迎えようとしていました。
親戚達がお正月の準備に追われている間、私はまたいつものようにお兄ちゃんにかくれんぼを持ちかけ遊んでいました。
何度か
「もういいかい?」「まあだだよ」のやり取りを繰り返し今度は私が鬼の番。
お兄ちゃんはいつも年下の私に優しく、わかりやすい所に隠れていました。
ところが、どうにもこうにもその日はお兄ちゃんが見つかりません。
遊んでいる間に日も暮れてきて、私は薄闇の中でお兄ちゃんを探すことがだんだん不安に、怖く感じてきてしまったのを覚えています。
とうとう泣きながら、「もう出てきてよ!!」と大きな声で叫んだところ、
廊下の一番奥の部屋がバンっと開き、中から出てきたお兄ちゃんが私の元に走ってきました。
その時の私は、お兄ちゃんがいた喜びと
かくれんぼから鬼ごっこになったのだ!認識して、追いかけてくるお兄ちゃんから、はしゃぎながら逃げ回っていました。
ただ、お兄ちゃんはいつものお兄ちゃん。
見た目も声もなんの変わりもなかったのですが、自分のなかで強く、捕まりたくない!!!と感じ、私は家族がいる一階に逃げるために階段を駆け下りました。
その途中足を踏み外し、結果的に額を縫う大怪我につながったのです。
額の傷は大人になった今でも残っています。
つい最近までは、あの時のお兄ちゃん、怖かったなぁ。
そんな程度でうっすら覚えているただの事故の記憶でした。
大人になって、祖母の家で親戚の集まりがあり久々に再会したお兄ちゃんに、
「女の子を傷物にしてー!あの時のかくれんぼずっと恨んでるからね!」と冗談混じりに言ったところ
なんの事か全く覚えていない様子でした。
私はただ単純に、お兄ちゃんが忘れているだけだと思い
お母さんやお父さんにも当時の事故の確認をしました。
すると、あの日お兄ちゃんは祖母の家にはきていたけど1階でずっとゲームをしていたこと、
私は確かに階段から落ちてきたけど、その時に2階には誰もいなかったことを教えられました。
座敷わらし…?とは違うか
いいつやん