鏡の中の赤いお姉さん
投稿者:空穂 (6)
短編
2021/11/14
21:40
3,036view
……。
Mは黙ってあーちゃんの手を引き、居間に連れ戻したと言う。
三面鏡は、元々Mの祖母のもので、母親が受け継いだものだった。
特に曰くは無いらしく、母親は「ちっちゃい子の空想遊びじゃないの?」と半信半疑。
しかしMは、どうしても嫌なものを感じると言う。
口紅を塗りたくった姪っ子の顔は、まるで口が耳まで裂けて血が流れているようだった。
部屋に入ったあの一瞬、Mが見た異様な顔そのものだった。
あんな不気味な描き方を、幼稚園児が自分からするわけがないとMは言う。
母親は、いつかこの鏡をMに譲りたいと言っているそうだが、今のところ、Mは丁重に断っているという。
前のページ
2/2
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 7票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。