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心霊

hiposiさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

譲り受けた、姉が使っていた部屋
短編 2021/11/08 00:08 1,490view

私の家は築60年くらいの昔ながらの作りの家で、小さいですが蔵などもありました。

祖父母は小、中学の時に無くなり家族は父、母、7歳上の姉、5歳上の兄、それと幼稚園の時から飼っていた猫でした。
間が離れていたせいか、私には自分の部屋が無く、姉が20で結婚した時に姉が使っていた部屋を譲り受けました。

我が家には霊感?があるのか、父が親戚が亡くなった時に枕元に立たれ、姉はその譲り受けた部屋の隅に男の子が居ると言っていました。
最初はただ私を怖がらせるだけの冗談かと思っていましたのですが、譲り受けて1,2年経った位にいつも一緒に寝ている猫が夜中、私の胸の上に座りずっと天井を見つめている日が多くなりました。
猫は昔から悪いものから守ってくれると祖母から聞いていたので、もしやその悪いものが居るのかと思い少し怖くなりました。その反面猫が私を守ってくれている安心感もありました。

21歳になり私も彼氏ができ、親への挨拶がてら自宅に招きバーベキューなどをして楽しみました。途中彼氏が疲れたから休みたいと言い、私の部屋へ案内しました。私はそのまま皆のところへ戻り、彼氏は私の部屋で仮眠を取っていました。

夕方になり片付けをしていると彼氏が戻って来て『手伝うよ』と片付けをしてくれました。アルコールを飲んでいたので家まで車で送っている途中で彼氏がこう言いました。『部屋で寝てたんだけどさ…ずーっとばーちゃんみたいなじーちゃんみたいな声が≪ヴぁぁあああああ≫って耳元で叫んでてさ…。』急に首元がひんやりした感覚になりました。少なくもと≪二人≫あの部屋に居るんだと思いとても怖くなりました。

怖くて怖くて気休めですが仏間で線香を炊いて祖父母の遺影に『助けて。怖い。助けて。』と言いました。
姉の証言だけで根拠も薄い、自分が気にしすぎていただけだと思ってしましたが、家族以外に言われると信じせざる得ないと思いました。

翌年、ずっと側に居てくれた猫が腎臓を悪くしてしまい亡くなりました。
その日から寝るとき高確率で金縛りにあうようになりましたが、きっと仕事が忙しかったからそのせいだと思っていました。そう思う様にしていました。

この状態が2ヶ月続いた位でしたか、子供の、子供達のはしゃぎ回る声が聞こえるようになってきたのです。
『あぁ、これは幻聴。気のせい気のせい』と思っていても二人のあの言葉を思い出すたび不安で仕方ありません。

その後、同棲の話が上がり直ぐに一緒に暮らすことになりました。今はあの部屋は誰も使っていないと思います。
霊感が強い方があの部屋に入ると一体何が見えるのでしょうか。少し気になる気持ちもありますが、知らない方が私には良いかもしれませんね。

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