私を見守ってくれる人

私の友人は霊感があります。見えてしまうことで苦労することも多く、人には秘密にしています。私は見えないので、彼女の苦労がわかりません。だからこそ普段はその話には触れないようにしてきました。

ある日、彼女から珍しく「あなたの後ろで見守ってる人、いつも本当に優しい顔をしてる」と言われました。「背が高いショートカットの女性。白衣を着てる」と教えてくれました。白衣の女性に心当たりがなかったので、後日祖母にその話をしました。

すると祖母は「それはあなたのひいばあさんだね」と教えてくれました。曾祖母は家庭科の教師をしていて、白衣を着ていたのだそうです。母も「ひいばあさんは、あなたを本当にかわいがってたからね」と。曾祖母は私が7歳の頃に亡くなりました。

物心ついた頃の私の記憶では、脳梗塞の後遺症で話せなくなり、痴呆も進んでいました。病院にお見舞いに行くと、いつも私の頭を撫でて、折り紙で作った鶴や風船などをくれました。話せない曾祖母と子どもの私。一緒に出かけたこともなければ、病院以外での思いでもありません。でもいつもお見舞いに行けばしわくちゃの笑顔で迎えてくれる。そんな曾祖母からの愛情は子どもなりにしっかり受け取っていました。

友人から曾祖母の話をされてから、私は結婚をし、子どもを産みました。苦しいことや人生の転機となる時には、いつも曾祖母のことを思います。「ひいばあちゃん、今日も私のこと天国から見守っててね」と。