古民家に住む老婆
投稿者:兎 (2)
昔から田舎暮らしに憧れていた私は、仕事のほとんどがテレワークになったのをきっかけに、思い切って念願の古民家を借りて田舎暮らしを始めました。
近所の人とも仲良くなり楽しい日々を過ごしていました。
ある日、庭掃除していると家の中か人の気配を感じます。
ふと、座敷に目をやると見たこともない老婆がスーっと縁側を横切りました。
近所の方が来たのかと思って特に気にしませんでした。
田舎ではよくあることですが流石に家の仲間で上がりこむのは勘弁してほしいと思います。
掃除が終わって座敷を見ても何もありません。
気のせいかな?
そう思ってやり過ごしました。
夜になり抱えていた案件をPCに向かいながらこなします。
ようやく終わってコーヒーを入れに行った時です。
壁から昼間見た老婆がスーっと現れ台所の食器棚へ消えていきました。
2度も見間違えることがありません。
怖くなって家を飛び出しました。
とりあえず電気の付いている家を探します。
運よく隣の家に明かりがともっていました。
夜中ですが慌てて駆け込みます。
「何かありました?」
恐ろしい表情だったんでしょうね。
出てきた夫婦が驚いていました。
先ほど見た老婆の事を詳しく話しました。
「また出たんですね」
奥さんの言葉に驚きました。
この家、以前住んでいたおばあさんが家に住み着いているようです。
前に引っ越してきた方も老婆を見て1週間で退去したようです。
勿論、私も怖くなりすぐに家を解約して実家に戻りました。
その後、老婆とは会っていません。
座敷ババアって奴でしょ!