墓場で拾った白い石の怨念
投稿者:兎 (2)
朝からセミの大きな声に起こされました。
じっとりと汗をかいて嫌な目覚めです。
今日は午前中に祖母の墓参りがあるのでさっさと支度をして家を出ました。
掃除をして花とお線香を備えて家族の健康をお祈りしました。
帰ろうとした時です。
足元に転がる白い石が目に入りました。
卵のような形をしています。
大きさは小指ほどで妙に私の心を惹きつけました。
墓場の物を持ち帰るのは良くないと祖母から聞いていたので迷いました。
しかし、持ち帰りたい気持ちを抑えきれずポケットにしまいました。
自宅に帰ると寝室に置いてある観葉植物の鉢の中に置きました。
この時はこの後、怖い体験が待っているなんて想像もしていませんでした。
1週間ほど経った夜の事です。
仕事に疲れて熟睡していたのですが妙な雰囲気を感じて目が覚めました。
時計を見ると2時です。
冷たい空気が漂っており寝室にいる感覚がありません。
寝ぼけているのかと目を擦りました。
すると観葉植物の横に真っ黒の礼服を着た女性が立っています。
下を向いて顔は見えませんが雰囲気からして40代の女性です。
すっと手を上げて手招きをしています。
怖くなった私は電気を点けました。
すると女性の姿は消えていました。
怖いのでこの日は電気を点けて就寝しました。
翌日、何事も無かったのでそのまま過ごしました。
そして夜になりました。
昨日の出来事が気になりますがとりあえず布団に入ります。
何事も無く眠りにつきました。
数時間寝たと思います。
息が詰まるような苦しみを感じて目が覚めました。
目を開けると昨日見た女性が馬なりになって私の首を絞めています。
目をかっと開いた表情は恨みが籠っていました。
こんな体験は初めてです。
恨まれることをしていないか必死に思い出しました。
そしてあの石のことを思い出しました。
女性を振り払い石を手にして外に投げ捨てました。
すると女性の姿が消えていました。
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