兵庫県の山奥にあった泉の不思議な話

10年前、私が学生だった時のバイト先の先輩が体験した不思議な話です。

兵庫県の六甲山の山奥で誰も住んでいないようなところに当時、泉があり、そこの泉の中から幽霊が出るという噂があったそうで、肝試しを兼ねて現場へ車で向かったそうです。
六甲山の山奥に入り、坂を車で登って行き、まったく人影が無いような場所にポツンと例の泉を見つけたそうです。
その時は真っ昼間だったそうで「こんな昼時に本当に幽霊なんか出るのか？」と思いながら、待っていたそうですが、もちろん何も現れずに1時間ほど経ち、痺れを切らした友達の一人が、「一回、その泉の周りを車で走ってみよう！」と言い、全員で車に乗り、その泉の周りを車で周回し続けたそうです。

5分経っても10分経っても何も起こらないなぁと思っていた矢先、山道からパトカーがサイレンを鳴らして登ってきたそうで、「そこの車、止まりなさい！」と言われ車を止めたところ、警官から「車のボンネットに女の人を乗せて、泉の周りを車で周回していると通報を受けた」と言われたそうです。

車で泉の周りを周回している時、山道には一切、車は走っておらず、周りを見渡しても山奥なので、家や人影も一切なかった上、ボンネットにも何も乗せていなかったという状況だったので、警察官に事情を説明した上で下山したという不思議な体験をされたという話です。
その後、その泉は完全に閉鎖されており、人の出入りは一切出来ないそうです。