イタコの血を引く友人

今までで一番ゾッとした友人の話をしたいと思います。

彼女は高校生で同じクラスになった友人で、最初は物静かな印象の子でした。
読書が好きなようで、休み時間は席について一人で本を読んでいました。

そんな彼女と仲良くなったきっかけは、とある友人Kさんに紹介してもらったことです。
Kさんも私と同じく多少の霊感があり、不思議な体験をしてきた子でした。
そんな体験つながりで彼女を紹介してくれたのです。

実際に話してみた彼女は第一印象と異なり、とても活発でよくしゃべる子でした。
頭の回転も速くて面白く、なぜいつも一人でいるのが不思議なくらいです。
思い切って聞いてみたところ、ゾッとする答えが返ってきました。

彼女は代々続くイタコの家系で、意図せず霊が見えてしまう、いわゆるオーラのようなものも見えるということ。

そして、死期が近い、または死期が近い人が身近にいる人間がわかってしまうということでした。
彼女は中学生の頃、仲が良かった友人の死を悟り、実際にそれが現実になってしまったことから人間関係を狭めるようになったと言います。

彼女は生まれる前に亡くなってしまったKさんの兄弟について言い当て、そこから2人は仲良くなったということでした。

そしてある程度仲良くなってから、彼女は私の家についても忠告をしてくれました。
「どこか薄暗いものが常にまとわりついている。離れた未来に大きな悪いことが起きるか、小さな悪いことが続くかもしれない。お祓いをした方がいいかもしれない」と。

実際に、我が家では慢性的に良くない状態が続いていました。
母親は原因不明の頭痛で常に悩まされ、精神的に不安定です。
家族は常に母の機嫌に振り回され、私は家に帰るのが億劫で可能な限り外出するようにしていました。
誰にもこの状態を話したことはなかったので、ぴしゃりと言い当てられたようなゾッとした気持ちになったのを覚えています。

テレビでイタコを見た時は、正直少し胡散臭いと思ってしまっていましたが、本物のイタコ、そしてイタコの血を引く人は本当に見えるんだなと確信しました。