そして昨日、とうとう『アレ』が自宅の中にまで入り込んできたのです。
寝室の本棚から何気なく本を引き抜くと、その奥の暗がりから、じっと『アレ』がこちらを見ていました。
ほんの数十センチの距離で目の当たりにした、漆黒のほら穴のような瞳。
声も出ないほど驚き、手にした本を落としたまま、寝室を飛び出しました。
一番最初に目を合わせてしまったのが、いけなかったのでしょうか。
次に目が合うとき、私と『アレ』の距離は、どれほど近づいているのでしょうか……
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