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心霊

カラカラさんさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

無邪気と廃墟
長編 2026/10/30 16:08 236view

私が子供の頃、まだ道路が完全に舗装されてた訳じゃなくて、所々赤土の砂利道だったんです。

そんな道でゴムボール蹴るもんだから、頻繁に人様の庭に入ったりしちゃうんです。

そんな時はチャイム鳴らして「とらせてくださーい」って言えばニコニコ顔で「いいですよー」って言ってもらえる。

それが私には当たり前でした。

ところが、一軒だけ、どうしてもボールを取りに行けない家がありました。

そこは、道路から少し奥まった場所にある古い平屋でした。

庭には雑草が伸び放題で、家の外壁は黒ずみ、玄関先には錆びた自転車が倒れたままになっていました。

子供心にも、なんとなく近寄りたくない家でした。

ある初春の夕方、友達とボール遊びをしていた時のことです。

蹴ったボールが、運悪くその家の庭に転がっていきました。

「あーあ、またあそこかよ」
友達が嫌そうな顔をしました。

私はボールを取りに行こうとしましたが、友達に腕を掴まれました。

「やめとけって。あそこ、誰も住んでないんだぞ」

「でも、ボールあるし」
私はいつものように玄関のチャイムを押しました。

ピンポーン。

返事はありません。
もう一度押しました。

ピンポーン。

すると、家の中から女の人の声がしました。

「はーい」

私はほっとして、いつものように大きな声で言いました。

「ボール、とらせてくださーい!」

少し間があってから、

「いいですよー」

と返事がありました。

私は庭に入り、ボールを拾いました。

その時、縁側の障子が少しだけ開いているのに気づきました。

隙間から、誰かがこちらを見ていました。

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