3日目。私は喧嘩するのもめんどくなり、片耳を枕に伏し、片耳に当時の病院では当たり前だった片耳イヤホンをさしていた。
面白いテレビがあったかどうかは覚えていないが、隣のクソガキと喧嘩するよりかは、マシであった。
テレビを見ていると、テレビカードの残数が減っていき、0となった。お袋にカードを買って来て!とお願いすると、カードとお菓子、飲み物も買って来るから、売店に行くといい、出ていった。
隣のクソガキはここぞとばかりに私に何か言いたげだったが、お袋が出ていった直後に例の女医が来た。
そのクソガキは女医の前だと大人しくいい子のふりをする。
私の番になると、看護師さんが記録したのをみて、熱は下がったみたいね。とか、何とか言った。私は女医と話したい訳ではなかったが、なんかクソガキに負けてる気がして、何とか女医に話しかけたかった。
でも、話すことなど何もない。
すると、向かいのベッドから、女の子がひょこっと顔を出した。
私はこれだ!と思い、その女医に「そこの女の子も先生を待ってますよ。」と言った。
すると、女医の顔がこわばっていく。
「そこの女の子って?」
「そこのベッドの…」
私は通路を挟んで向かいのベッドに目をやるが、女の子は消えており、ベッドも空の様子。
初日は熱で、2日目はクソガキに気を取られ、気付かなかったが、言われてみれば、女医がみた様子もなく、本当にいたか?と言われたら自信がない。
私は何も言えなくなってしまった。そこにお袋が売店から帰ってきた。
女医は何もなかったかの様にお袋と軽く話して出ていった。
私はそのことをお袋に言えるはずもなく、気のせいだと思い込み、その日を過ごした。
その日の夜。何時かは分からない。
とにかく暗かった。
真夜中だった気もするし、小学生だったので、真夜中と思ってるだけで、夜の9時頃だったのかもしれない。
私はふっと目が覚めた。
だが、体が動かない。
所謂金縛りというやつだ。隣の簡易ベッドにはお袋が寝てると思い、ふと隣を見ると、向かいのベッドにいた女の子が隣にいる。
「私のこと見えてるの?」
恐怖しながらも、体は動かないし、声も出せない。それが夢だったのか、現実だったのか分からないまま、気付けば朝がきていた。
昨日の体験に恐怖しながら、過ごしていると、親父が昼前にやってきた。
「お前、一本杉に登ったらしいな!さっきお祓いしてきたわ!バカが!」
そういうと、お袋から大きな声を出さないで!病院なのに!と言われていた。
私は怒られたことよりも、隣のクソガキにその場面を見られたことの方がショックだった。
そのお祓いの効果だったのか、それが夢だったのか分からないが、その日から退院まで女の子を見ることはなくなった。





















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