だが、清水さんが今でも鮮明に覚えているのは、夜の出来事だった。
彼らはテントではなく、山の中にある小さなロッジのような宿泊施設を借りていた。
そこでA君が言った。
「キャンプの夜と言えば怪談だろ」
昼間の「キャンプだろ」と同じような軽いノリだったらしい。
だが、それが予想以上に盛り上がった。
山の夜は静かだ。
窓の外から聞こえるのは虫の鳴き声だけ。
部屋の電気を消し、懐中電灯を顔の下から照らして怪談を語り合う。
単純な遊びだったが、それだけで空気は一変した。
話の内容以上に、その場の雰囲気が怖かった。
誰かが話し終えるたびに笑いが起き、それが収まるとまた次の怪談が始まる。
結局、その怪談会は深夜まで続き、一年目のキャンプは大成功のまま幕を閉じた。
「来年も絶対やろう」
帰り道、四人はそう約束したそうだ。
そして翌年。
大学二年生になった夏。
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