おじいちゃん
投稿者:ぴくさー (1)
もうすぐおじいちゃんの三回忌。
大好きだったおじいちゃんが亡くなってからもう3年が経つ。
おじいちゃんの部屋を整理したり、仏壇をきれいにしたり、お墓を掃除したりと朝から母とおばあちゃんが世話しなく動いている。
「あっという間だったなぁ…。」
私がそう呟くと母が言った。
「ほんとあっという間じゃったねぇ。」
「そう言えば最近、おじいちゃんの夢見るんよ。三回忌だから張り切っとるんかな(笑)」
お酒好きで、一族の行事が大好きなおじいちゃんだった。
三回忌に家族が集まってくるのを楽しみにしているのかもしれない。
家族の行事で飲み会をして浮かれているおじいちゃんを思い出して懐かしい気持ちになった。
その日はそんなおじいちゃんの顔を思い浮かべながら眠りについた。
すると、私もおじいちゃんの夢を見た。
いつもにこやかで賑やかなおじいちゃんが、珍しくムッスリしていた。
「おかしいな?ほんとにおじいちゃん?」と孫の私が疑うほどだ。
不機嫌なおじいちゃんは仕切りに何か言っているように見えた。
手のひらを縦にグーにして上下にしている。
「ない」という一言だけ聞き取れたが、前半が聞こえない。
とうとう私は全て聞くことができぬまま目覚めた。
起きてすぐに母にその夢の話をした。
すると母が言った。
「私も全く同じ夢を見た。」
とても驚いた私は、細かく母の夢の話を聞いた。
確かに全く同じ夢を見たのだった。
1つ違う点があるとするならば、母はおじいちゃんが「ない!どこへやった」と言っていたというのだ。
実の娘の母からしても、おじいちゃんが不機嫌になるのは珍しいようで不思議そうな顔をしていた。
「おじいちゃんが不機嫌になる時は家族行事が中止になるか、お酒が足りない時くらいなもんだったよ。」
三回忌が無事に終わり、世話しない一日が終わろうとしていた時、
急激に夢の謎が解けた。
母が仏壇の異変に気付いたのだ。
「あれ、いつも仏壇にお酒いっぱい置いてるのになくなってる!」
「どこ置いた?」
「あ、もういいかなと思ってよけたよ~」
おばあちゃんが仏壇掃除の際にお酒を取ってしまっていたのだった。
私と母は顔を合わせ「そういうことか!」と言った。
それ以来、我が家の仏壇には、にこやかなおじいちゃんの写真とともに必ずお酒がたくさん供えられている。
なんか、ホッとしました。
おじいさん、良かったですね。
三回忌は三年目じゃない定期