霊能者が見ていた首吊りの姿。
あれは本当の姿ではなかった。
「彼らは助けを求めている」
「だから、君のような力を持つ者にだけ姿を見せた」
霊能者は震える声で尋ねた。
「さっき空に現れたものは……?」
「幻影だ」
「人間が理解できる形に合わせて、彼らが見せているに過ぎない」
「人によっては、別のものに見えているだろう」
しばらく沈黙が続いた。
そして声は、さらに静かに語り始めた。
「怨念や憎しみを吸い取られた者は、やがて消える」
「成仏ではない」
「天国でも地獄でもない」
「ただ、無になる」
社長は思わず身震いした。
「では……あなたたちは?」
「我々も、本来なら無になっていた」
「だが、怨念や憎しみよりも強いものがあった」
「だから消えなかった」
霊能者が尋ねる。
「それは何なんですか?」
しばらく沈黙が流れる。
そして声は、優しく答えた。
「それを教えてしまえば意味がない」
「考えるんだ」
「その思いこそが、彼らと対峙できる唯一の手段だからだ」
「彼らに悪意はない」
「戦う意思もない」
「ただ、エネルギーを集めているだけだ」
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