するとどうだろう。
あれだけ頻繁にあった息子の奇行が嘘のようにぱったりと無くなったのだ。
私は歓喜し、ひたすらお礼を言った。
お金はいらない、との事だったが、拒む彼女に無理やり10万円を押し付けた。足りるのかは分からないが。
もう大丈夫。これさえあれば何も怖くない。
数ヶ月後の朝、息子を幼稚園に送るために準備をしていた。
「はやくしなさい、遅れるよ」
なかなか出てこない息子に少しイライラ。
すると、霊媒師から突然の電話。
なんだろうと出てみると、いきなりまくし立てられる。
「御守り、今もちゃんと持ってますか!?何かおかしい、胸騒ぎがしたのです」と。
何を言うのだろう。あれは一生離さない。今も胸にかけている。
それにしても、息子が出てくるのがやけに遅い。
「あの御守りは、決して霊を撃退するものではありません。簡易的な結界を作り、寄せ付けないためのものです。あれを手放せば…」
霊媒師は電話口でそう言う。何を焦っているのだろう。
そうこうしているうちに、息子がようやく出てくる。
「もー、遅い。すみません○○さん。ちょっと切りますね」
と言いかけた時だった。
息子の表情がおかしい。無表情で、生気がない。首にあの御守りがかかってない事に気付く。
「ママ、パパがね。もうすぐ着くよだって」
私は咄嗟に自分の首から御守りを外し、息子にかける。大丈夫、きっと大丈夫だ。
私はいい、この子さえ無事なら。
息子は私の方を見上げ、いつもと変わらぬ笑顔を向けた。
あぁ良かった、間に合った。
「ねえママ」
呼び掛けに答える。
「どうしたの?」
「タダイマ。タダイマ。タダイマ。タダイマ」

























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