それをこの辺が田舎だからって、他の場所からも大量に動物の死体を処分したらしい、
よりにもよって、おつたいさまの祠の近くでな。
当時、行政と地域住民と相当揉めたようだ。」
「それが理由だったのか、当時の景気の状況でそうなったのかは、
今ではもうわからないが、あっという間に、この町は過疎化したそうだ。
そこで、周辺の土地を安く買いあげ、あの集落を立て直したのが、
元々この辺の地主だったお義父さんの一族達だった。」
「住民以外の、おつたいさまを祀っていた祠周辺の出入りを禁止したんだ。
元々過疎化していた町だから、特に問題は起きなかったようだが・・・
しばらくしたら、急に株やら土地開発やらで、成功し始めてな。
今じゃ、知る人は知る大金持ちの一族らしい。それでも、都会に引っ越すことなく
この辺を治めてきたから、この辺の住民の忠誠心も高い。
町議会も当然独占状態。問題があっても、絶対に外には出てこない。
小説に出てくるような、典型的な地方権力者一族さ。
けど、流石にみんな高齢化してきた今の時期に、俺たちの子供だ。」
一息をついて、兄貴はコーヒーを飲んだ。俺も飲んで、話の続きを待つ。
「おつたいさま、聞いたことないだろ。過疎化して、年月が経って、
知っている人はもうこの世を去っているか、老人ばかりだ。
神様は、信仰されて、畏れられ、敬われてナンボだ。それを俺たちの子供に期待してる。
おつたいさまは、その身にその地の水を宿す自分の信者一族に特に強い恩恵を与える。
少なくとも、お義父さん達は、そう信じている。」
ため息をついて、兄貴はぼそりといった。
「俺も、そうなった。」
兄貴はコーヒーを飲みながら、口をつけていないお冷をじっと見つめている。
「おつたいさま、というのはな。さっき言った通り、水を司る神様だ。
変わった神様でな。信仰するより先に、ご利益をくれる。
金、女、子宝・・・なんでもいい。
本人が望むものを与え、そしてそれをそいつが受け取った時、契約は半分完了する。
もう半分?利益を受け取って、液体を口に含んで、おつたいさまを理解した瞬間だよ。
契約が完了した人間に、おつたいさまは自分の使いをそいつに送る。
そいつらは犬や猫みたいな4足歩行の獣のような姿をしてる。





















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