妻が母にプレゼントをしたからだろうか。
そんなはずはないと思いつつも、僕は母の突然の死という悲しみを妻にぶつけずにはいられなかった。
「お前がプレゼントをしたからだ!死神だ!」僕は通夜の席でそう妻を罵ってしまった。
父が止めてくれなかったら、おそらく僕は妻を殴っていただろう。
妻は一言「ごめんなさい」と言って顔を伏せ、肩を震わせていた。
母の四十九日が終わり、すっかり日常が戻ってきていた。
しかし母を失った僕の心は落ち着かず、ふとしたときに母との思い出が頭を過っては悲しみに暮れていた。
同僚にも心配されるほどだった。
そんな上の空で生きていたからだろうか。
僕は赤信号に気づかずに横断歩道に飛び出してしまい、車と接触した。
足と腰の骨を折る重傷で入院を余儀なくされた。
母が亡くなって以降、妻も悲しいようで元気がなかった。
夫婦間の会話もあまりなかったが、入院した僕の世話は献身的に行ってくれた。
通夜の席での発言を謝ろうか、と俺がベッドの上で考えていると、今日も妻がやって来た。
「痛みは大丈夫?早く元気になってね」
妻はそう言って、母の日に贈っていたお守りと同じものを動けない僕の首にかけた。
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