そして、その出来事も忘れかけていた頃。
同じ寮で部屋も近かった同僚のBさんから連絡がありました。
「昨夜、女子寮に不審者が入ったらしいよ」
「しかも大浴場にいて、逃げたけど捕まったらしい」
次の日も、Bさんが言いました。
「その人ね、下着も盗んでたみたい
車の中に山ほどあったって」
その瞬間、背筋が凍りました。
私の頭の中で
バラバラだった出来事が繋がりました。
「実は私、前に下着がなくなって…」
そう言いかけるとBさんが言いました。
「その人、警察の隙を見て逃げて
海に飛び込んで自殺したらしいよ」
しかもその人は
親会社の下請けの人で、その後名前や、近所でその人のお通夜が開かれてたなどなど…情報が入ってきました。
私はその時、
下着を盗まれていたかもしれないショックで
そこまで深く考えていませんでした。
でも、あとから思ったんです。
あの夜。
金縛りの時に
私の顔を覗き込んでいた黒い影。
あれは本当に
霊だったんでしょうか。
それとも――
生きている人間だったんでしょうか。
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