しかし、出ないわけにはいかなかった
聞きたいことが山ほどある
「まさる!? よかった! 繋がった! あんた今どこ?」
出るなり母親の大声が俺の耳を襲った
矢継ぎ早に俺に話しかけてくる
「お・・おい。どうしたんだよ? 俺は今実家だよ」
「実家? あの男のところってこと? 今すぐ出なさい! 話はそれからよ」
鬼気迫る声だった
何かとんでもないことが起きているようだった
「あの男って父さんのこと言っているの? なんですぐに出ないといけないんだよ」
父さんがいったい何なんだ?
夢の中で俺は二度も父さんに殺されている
やはり何かあるのか
「いいから! あいつはおかしくなってしまったの! 早くしないと貴方も危ないわ!」
母さんが今にも泣きそうになっているのが声からも伝わってくる
「危ないって・・。いったい何を言っているんだ? ちょっと落ち着いてくれよ」
訳がわからず俺はどうにか母さんを落ち着けさせようとした次の瞬間
バン!!
と大きな音を立てて俺の部屋のドアが開けられた
ドアの向こうには父さんがいた
だが、俺の知るいつもの父さんではなかった
激しく息をしてゲヘゲへと笑っていた
口からはよだれが垂れていた
目は完全に白目だった
誰がどう見ても正気ではなかった
何より常軌を逸しているのはその手には包丁が握られていて、もう一つの手には生首が握られているところだ
その生首は母さんだった
母さんの生首が叫んだ
「逃げてぇぇぇぇぇ」
俺は身体を動かそうとした
しかし、あまりの事態に身体はまったく動かなかった


























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