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不思議体験

きゆうさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

注意喚起のチラシ
短編 2026/01/14 06:25 36view

僕と友達は星や夜景を見るのが好きで、よく山に車で遊びに行ってました。

その日はいつもと違い、たまにはあんまりメジャーじゃないところへ行こうと思い立ち、とある関東の山奥へと車で向かうことになりました。

その日も夜分遅かったもので、カフェイン飲料を飲みながら方や運転、方やカーナビ案内をして少し人里から離れた真っ暗な道を進みます。
止まれの看板を曲がって、入った道はあまり舗装されていない悪路でした。

ただ、車の通った痕跡はあるので、安心して進んでいきました。どうやら看板曰く、進んだところには目的地とは別の自然公園があるようなのでそちらへ向かった車の痕跡でしょう。

少し進むと、歪んだガードレールと共に不思議なものがありました。
上部の大見出しに「危険」とのみ書かれた注意喚起のチラシが木に貼ってあったのです。

友達は運転に集中しているし、僕もカーナビを見ながらだったので、なんかの見間違いか動物のイラスト辺りが消えちゃったんだろうと思いました。

そして、ある程度進みました。カーナビは到着を示していますが、明らかにその場所は星見や夜景を見るのに適した場所ではありませんでした。とても人が歩いて進める道には見えませんし、ここで星を見る気分にもならないような場所でした。

けれど、一応降りてみようと思ったので少し開けた場所に車を路駐して降りてみました。
木々はそびえ立ち、景色も何も見えたものではありません。上も葉で隠されています。

そしてまた、真っ白な注意喚起のチラシ。
次はせっかく降りたので、ライトを照らして何が危ないのかをじっくり見ることにしました。
たぬきかな、猪だったら怖いな、などと思いながら照らしました。

明らかに経年劣化していない綺麗なラミネート、綺麗なプリントの文字。ただ「危険」の文字のみでした。
誰かのいたずらかなと思ったその瞬間、少し離れた場所の木々がガサガサっと音を立てました。

「おおおん」と男性のような声がしました。
その声は森に少し反響しながらこちらに向かってきているように感じました。
「おおおん」「おおおおおん」と響かすその音はさも僕らを探しているようでした。
2人して声も出さずに目を合わせ、車に急いで戻り、エンジンをかけて下山しようとしましたが、進行方向は真逆で帰るにはUターンする必要がありました。

その間もどんどん音は近づいてきます。
どうにかUターンして友人がアクセルをふもうとしたその時、横からガラス越しのくぐもったような音で「おおおおおおん」と聞こえました。

もうそこからはよく覚えていません。必死でアクセルを踏んで、カーナビも見ずにとにかく来た道を下山しました。あれは明らかに獣ではない、唇を有した生物か何かの発音でした。もう山には登れません。友人は見てしまったようなので、運転手がいないのです。

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