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不思議体験

真代さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

キキョウ
長編 2025/11/26 11:17 2,272view
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信じられないような話を信じてくれて、それから毎日、夜になれば家に来て、朝が来るまで一緒にいてくれました。

ですが、彼女がいる時も、当然のように暗闇の女は現れます。
この頃になると、私は怖がって暗闇の中では動けないので、あの女の方から、私に触ってくるんです。

トントンって、嫌に冷たい指先で、私の首筋をつついてくるようになってました。
目を瞑っていても分かります。暗闇の女が私の目の前に居ること。
あの不気味なニヤケ面。私の目の前で、怖がる私を嘲笑っているんです。
彼女には暗闇の女は見えないようでしたが、持ち前の明るさと、宝石みたいな笑顔で、私のそばにいてくれました。
今思えば、彼女もきっと怖かったんだと思います。
声が震えていましたから。

あの生活は怖かったけど、悪くなかった。

彼女と過ごす夜は、暗闇の女を打ち消せるほどの眩い光でしたから。

彼女とは沢山のことを語りました。
彼女はお花が好きで花言葉を沢山知っていること、
孤児院出身で親の顔を知らないこと、
誰かに必要とされたいってずっと感じていること。
たくさん語って、たくさん笑って。時には泣いて、喧嘩して。毎日が特別な日で、彼女は友達なんて言葉じゃ測れない存在になっていきました。
家族、いや、それよりもずっとずっと大切な人でした。
私は、彼女の事が大好きになっていたんです。

ですが、いつまで経っても、暗闇の女と私の病気は消えてはくれませんでした。

病気が進行して、度々吐血してしまいましたし、

体調の悪さや、私の心の甘えから来るワガママで、彼女を困らせてしまったり、酷いことを言ってしまうことが増えてしまっていました。
申し訳ないと、心ではそう思っているのに。

決定的だったのは、私の誕生日の前日のことです。
彼女は、とても綺麗な桔梗の花を私にプレゼントしてくれたんです。
でもあの時の私は本当にどうかしていました。
心も体も、余裕が無かったんです。

「そんな花貰っても、もう何にもならないんだよ。」
そう、冷たく突き放してしまいました。
彼女は、とても悲しそうな顔をして、

「そっか、ごめんね。じゃあ真美子が本当に幸せになるプレゼントを、今から用意するね。きっと、用意できるから、待っててね。」

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