「まさか……“人喰いの小屋”の話、本当だったのか……」
俺の背筋が、凍りついた。
「……人喰い?」
管理人は無言で立ち上がり、棚の奥から古びた地図を取り出す。
その地図の端を指で叩きながら、ぽつりと続けた。
「昔な、この山で行方不明になった連中が何人もいた。
共通してるのは、みんな“夜に山に入った”ってことだけだ……」
管理人は、静かに湯飲みを置き、遠い目をした。
「……これはな、俺のひいじいちゃんから代々聞かされてきた話だ。」
声のトーンが少し落ちる。
「時代は、第二次世界大戦の頃。この山で、連続行方不明事件が起きてたんだ。」
「登山者、木こり、猟師……何人も、何人も、山に入っては消えた。
行方が分からねぇまま、帰ってこない。」
「行方不明者の家族も探しに入ったが、そいつらまでいなくなった。
警察も調べに入ったが……派遣された警官の一部も、消息を絶った。」
管理人は息をつき、ゆっくりと続けた。
「そしてある日、ようやく一人……“行方不明者のひとり”が見つかった。」
「ただそいつの様子は、もう“人間”じゃなかったそうだ。」
「見つかったその男はな……まるで何か“恐ろしいもの”を見たように、発狂していたらしい。」
管理人の声は震えていた。
「目は虚ろで、歯はガチガチ鳴らして、誰が声をかけても叫ぶばかりだったそうだ。
最初は、まともに話なんてできなかった。」
「だが、数日経ってようやく落ち着いた時……ぽつりぽつりと語り出した。」
「――山の中で“木こり”に会った、と。」
「その木こりに“夜は危ないから”と小屋へ案内され、
食事を出され、休むように言われたらしい。」
「だが、その小屋の中には……“何か”がおかしかった。
床下からは血の臭いがして、壁には無数の刃物……
そして、見たことのない“肉の塊”が吊るされていたそうだ。」
俺と亮介は、管理人の話を聞きながら、顔を見合わせた。
――それは、まさしく俺たちが体験した“あの夜”と同じだった。

























おもろい!これはよい!
人喰い木こりの話しはまるでアメリカのホラー映画そっくりそのままだ。