これは僕の高校時代から親友であるA子の守護霊にまつわる話である。A子は当時、DV癖のある彼氏、B太に悩まされていた。B太は暴力をふるうだけでは飽き足らず、金銭もむしり取っていたのだ。また、B太は副業として野球賭博及び野球選手に対して八百長を強要させて大金を稼いでいた。A子の両親は幼少期にひき逃げで亡くなっており、天涯孤独であった。両親は遺産らしい遺産は残していなかった為、A子は近所のボロアパートに住み授業が終わると居酒屋やガソリンスタンドでアルバイトをして生計を立て、高校生活を満喫していた。さて、当時の僕は村上春樹のデビュー作「風の歌を聴け」の主人公を地に行くような生活であった。僕はA子の背後を見て、ある事に気が付く。A子の背後に西部劇のガンマンの格好をした7人の男が立っているのだ
「ネイ。A子さんの後ろに7人の男が立っていますが・・・それも西部劇のガンマンみたいなのが」
「恵。「荒野の7人」の話をしているんか?」
「彼女の守護霊の可能性もありますね。「荒野の7人」というより「7人の守護霊」でしょう」
「A子が日本人なのによ?」
僕の女友だち。ネイ・ハーンはため息をつく。それから数日後、B太の身の回りに異変が起こった。ナイフが飛んできたり、マイナスドライバーが頭に刺さったり、ライターの火で火傷したりしたのだ。また、ネイが
「A子の両親の死にB太の父親がかかわっている可能性が高い。B太の父親は新車で購入したスカイライン・ジャパンをすぐに手放したそうよ。目撃者の証言ではジャパンが猛スピードで走り去っていく姿を見たというわ」
という。また、B太は高校時代に柔道をやっており、全国高等学校総合体育大会柔道競技大会にて試合中に相手選手を7人殺害している事が判明した。全国高等学校総合体育大会柔道競技大会でも賭博行為を行っていたことが発覚した。そんな時、スマホから着信が来る。A子からであった。
次の日、ファミリーレストラン「ガスト」にて僕、ネイ、A子はB太が来るのを待っていた。僕は待っている間、村上春樹の「風の歌を聴け」を読んでいた。店内から石川優子の「ドリーミー・ドリーマー」が流れる。数分後、B太がやって来た。A子はB太に別れを切り出す。B太はA子に殴りかかろうとする。ネイはB太の手を抑える。ネイはBの小指をへし折る。B太は悲鳴を上げる。
「分かった!別れるから!」
B太は絶叫する。その時、ガストからFテレビのADたちがやって来た。ビデオカメラを持ったADたちは
「お前、俺たちが港区女子や女子高生とキメセクしているのを警察にチクったろ?今からお前を視聴率稼ぐため、この場で公開処刑してやるから覚悟しろ!」
と言い、ADたちはB太に暴行を加えた。B太は顎が砕かれ、顔面が陥没、両手足と脊髄頸椎をへし折られ、内蔵破裂で病院送りにされた。B太は言うまでもないが一生、寝たきり状態である。そして、FテレビのADたちによるB太の公開処刑はそのまま、Fテレビのバラエティー番組で放送され、高視聴率を獲得した。また、B太の父親はA子の両親をひき逃げした事件で警察に逮捕されたのは言うまでもない。裁判で死刑になったのは言うまでもない。なお、裁判官は
「実は裁判中に西部劇に出てきそうな7人のガンマンが死刑にしろとジェスチャーしたので死刑判決を下してやった」
との事である。それから三日後、府中刑務所にてB太の父親は死刑執行人に尽きずられながら、電気椅子に送られた。B太の父親の処刑は本来なら電気椅子での処刑は頭と電極の間に濡れたスポンジを挟んで死刑執行を行うが、死刑執行人はめんどくさかったので、スポンジを濡らさず、B太の父親に電流を流したため、トム・ハンクスの映画「グリーンマイル」のエデュアール・ドラクロアみたいな死に方を迎えたという。
さて、B太の母親や兄弟はB太の所業に怒り狂ったA子の親友や「ガスト」の従業員、前述の野球賭博の件で被害にあった方々に鉄パイプや漬物石等でボコボコにされた後、剥製にされて、市役所の見世物としておかれた。木戸銭は10円であった。なお、B太の実家はもともと「A子父」名義だったのでそのまま、B太の家の物を売り飛ばして、B太一家の全財産が入っている貯金通帳も手に入れ、B太の実家を売却した。これは後で分かった事であるが、A子の両親の遺産はB太の両親が懐に収めていたことが発覚し、こうしてA子は両親の遺産を取り戻すことができたのだ。僕は
「A子さんには強い7人の守護霊がついているんでしょうね」
と思った。
終わり

























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