だから、僕たちが兄弟なのは、そもそも同じ血縁から生まれたからなんだ。……だから、兄弟なんだよ」
俺はその言葉を聞きながら、背筋が凍るような感覚を覚えた。
異様な夜の山、異形の兄弟たち、そしてシバの無邪気な声
すべてが現実なのか幻なのか、もう分からなかった。
シバが語り終えると、静かに手を挙げ、ある方角を指さした。
「おじさん……朝になったら、すぐに山を降りて。この方角をまっすぐ進めば降りられるから」
その指先を見つめながら、俺は胸がぎゅっと締め付けられるのを感じた。
シバはさらに、低くつぶやくように言った。
「僕たち兄弟は、この山で、人間たちに見つからず、永遠に暮らすんだ。
だって僕たちは……人間じゃない。この世にいてはいけないものなんだよ」
その言葉を残し、シバはゆっくりと、ひょっとこの面を外した。
その瞬間、俺の体は動けなくなった。
面の下にあったのは、もはや人の顔ではなかった。
肌は透き通るように白く、目は深い闇のようで、口元は人間にはあり得ない歪みに開いていた。
その異形の顔は、じっと俺を見つめている。
思わず声を上げそうになり、全身が震えた。
息を呑み、心臓が耳にまで届くほどの速さで打つ。
俺はそのまま、恐怖と呆然の狭間で立ち尽くしていた。
その後のことは、まるで夢の中のようで、鮮明には覚えていなかった。
気がつくと、夜は明け、淡い朝の光が山肌を照らしていた。
俺は慌てて身支度を整え、昨日シバが指さした方角を確認する。
霧がまだ少し残る山道を、一歩一歩慎重に踏みしめながら進む。
心臓はまだバクバクと早鐘のように打ち、昨夜の光景が頭から離れない。
しかし、シバの言った通り、道は徐々に下り坂になり、やがて木々の隙間から麓の村や市の建物が見えてきた。
誰も追いかけてはこない。昨夜の異形の兄弟たちの姿は、霧の奥に消えていったかのようだった。
俺は息を整えながら、無事に山を下りることができた。



























読みやすくてめっちゃ好き 話の内容が入ってきやすい
すっごく怖くて久しぶりにゾクゾクしました。
久しぶりにゾクゾクしました。
↑マジそれな、今まで読んだ中で1番最高だわ
ハゲ碓井みたいだな