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妖怪・風習・伝奇

六怪 百話さんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

1分
短編 2025/09/12 19:57 1,370view

私の小学校には、掃除前に全員目を閉じて座る時間があった。
1年の時からそうだったから、何であるのかなんて考えたこともなかった。
でも…ちゃんと意味があった。
無駄なのに作るはずなんてなかった。
なんで気づかなかったんだろう。

朝登校してきたら、友達に話しかけられた。
「今日、掃除前の“あれ”、先生がいないから目ぇあけといてみようよ」
その子は転校生だから、元居た学校にはそんな習慣なかったって最初のうちは驚いてた。
だから、気になったんだろうな。
怪談係に入ってる私は、何もないと思ってたけど、なんかあったら怪談のネタにできると思って

その子と一緒に目を開けてることにした。

“あれ”は掃除が始まるまでの1分だけだから、なんかあっても見逃しちゃいそうって思ってた。

キーンコーンカーンコーン
生徒の皆さんは、目を閉じて座ってください

きた。
先生から見えない位置にあるこの教室でじゃ、目を開けていられる。
最初の20秒ぐらいは、なんも起きなかった。
でも、30秒ぐらいから、空気が重くなり始めた。
そのうち、子供の笑い声が聞こえてきた。
途中から、笑い声が鳴き声に変わって、悲鳴になった。

50秒当たり、霊感がほとんどない私でも、小さな影が見えた。
焼け焦げて、血だらけの、子供。
それが、周りにたくさん。

その子にそれが見えてたかなんて、今じゃもうわからない。
気づいたら一緒に目を開けてた子は、いなくなってた。
目を開けてるだけだったはずなのに…

動いちゃった?

母から聞いた話だと、私が通ってる小学校は昔戦争でたくさんの子供たちが亡くなったらしい。
そして、爆弾が落とされた時間が、いつも目を閉じてるあの時間だったんだって。

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コメント(1)
  • この物語はフィクションです。

    2025/09/12/19:59

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