私は途中コンビニに止まり、恐る恐る車の天井部分を外から見ましたが、手形や何か押し込まれたような後は無くひとまずはほっとしたのですが、緊張の糸が切れたのか強烈な眠気に襲われた私は、申し訳ないと思いつつも、コンビニの駐車場の端に車を止め直していつも車に積んでいる毛布を頭から引っ被って1時間程仮眠をとりました。
幸いにもそこから不可思議な現象は起きませんでした。
もう目的地まで3分の2程の道のりを進んでいて、今更引き返す気にもなれなかったので当初の予定通り釣りスポットで朝釣りを堪能しました。(因みにほぼボウズでした)
帰る際にも何か起きる事は無く、家に着く頃には 何だか不思議な体験をしたなぁ〜 程度にしか考えていませんでした。
しかし、帰宅したその日の夜でした。
私は眠りがかなり深く、あまり夢を見ないタチなのですが、その日は久しぶりに夢を見ました。
真っ暗な空間から、かえして かえして と男性とも女性とも分からない不思議な声が聞こえてくる ただそれだけの夢というには非常にシンプルなものです。
あんな体験をしたんだし、こんな夢を見てもおかしくはないか… と、朝起きて自分を納得させましたが、次の日もその次の日もその夢を見て私は、もしかしたら何か連れてきてしまったのではないかと思いました。
別に何か霊障などの実害がある訳ではないのですが、安眠を奪われて困った私は、母にどうすればいいか聞いてみる事にしました。
母は所謂視える人…という訳ではなく私と同じく(たぶん)普通の人なのですが、よく祖母からそういう幽霊などの対処方法などを教えて貰っていたらしく、祓い清めるまでは行かないでも、遠ざけたりする方法は知っていると聞いていたので助けて貰う事にしました。
私が一通り説明すると母は「お盆やし、自分ちの精霊馬と間違えて〇〇(私の名前)の車に乗ってきたんちゃう?」と笑い
「まあでも、間違えて着いてきてもうたんだったらその人にも待ってる家族にも悪いし、悪いやつだったりしたら危ないからどちらにせよはよ出て行ってもらわなあかんな」
と言って、キッチンから塩と料理用の日本酒を持ってきて私と私の車に塩をふりかけ、車のカーナビの上部分の平らな場所にコップに入れた日本酒をお供えしました。
そして仏壇から般若心経の描かれた折り畳まれた紙と数珠を2本持ってきて「ほら、あんたも一緒に唱えなさい」
と言って、数珠を私に渡しました。
家の庭で母と一緒に車の前で般若心経を唱えるという不思議な光景は、通りすがりの近所の人にギョッとされましたが、私としてはこれに安眠が掛かっていたので母と一緒に般若心経を唱え、一生懸命拝みました。
正直、こんなこてこての一般人が思いつく除霊の方法みたいなものでどうにかなるのかと半信半疑でしたが、母は「まあこれで大丈夫やろ、なんかあったらお寺にいけばええわ」と言ってからからと笑いました。
しかし、その日の夜からは例の夢も見る事はなくなり私の安眠は無事戻ってきました。
その事を母に伝えると「それはよかった、お母さんも弱い幽霊しか効かんっていうてたから効いて良かったわ」と、いつも通りからからと笑い、その後に
「でもお盆は帰ってくる方も多いから、海辺に近寄るんはやめた方がええよ、あれよりすごいのが来たらえらい事になるけん」と少し真剣な表情で付け加えました。
次の職場が夏休みがある仕事かは分かりませんが、少なくとも来年からのお盆期間は釣りには行かないでおこうと、強く思いました。






















話が長過ぎません?不要な部分が多く要点までが長すぎてリタイアしました