今年のお盆に私が遭遇した、不可思議な話です。
あまり怖い話ではないかもしれません。
私は7月に諸事情あって職を辞してめでたく自宅警備員にジョブチェンジしたので、新たな職を探しつつも職が見つかるまでは貯金を食い潰しつつ実家暮らしをしていました。
お盆に入る前には再就職も決まり、9月からまた働く事が決まったので、せっかくの夏休みを堪能しようと色々と今までやろうと思って全然出来ていなかった趣味事をやってみようと思い至り、行動に移していきました。
一日中映画館で映画を見たり、家に篭って溜まっていたゲームや漫画を消化したり、ぼ○のなつやすみの如く全力で夏を遊び倒していました。
観たい映画もほぼ見終わり、ゲームもまあまあ消化し終えた所でお盆休みももう中頃、私は次の遊びである釣りをする為に車を走らせていました。
キッカケは家で何となしに手に取った釣りの漫画でした。
大学時代に女の子が釣りをする漫画がアニメ化し、それにハマった私は漫画を買って読むに飽き足らず、実際に釣りを始めて見事それにハマりました。
朝の4時頃に出発し、お昼前の暑くなる時間までぼーっと釣り糸を垂らし続ける。
今思えば大学生の時分でしか出来ない、贅沢な時間の使い方でした。
社会人になり仕事をしていく中で思ったのは、休みは本当に貴重で、なかなか大学時代の様に釣りで半日を潰すというのは何だかとても勿体なく感じてしまい、そうそう出来ないという事でした。
何より仕事でクタクタになった体に、休みの日まで仕事より早起きするというのは想像以上にしんどいものがあり、釣りをする回数も段々と少なくなり、最近は全くしなくなっていました。
実家の本棚で久しぶりにその漫画を手に取って、懐かしいなー なんてぱらぱらと読んでいたのですが、その内に無性に釣りがしたくなってきてしまい、ほぼニートみたいな状態で時間はあったのでいても立っていられなくなった私は、倉庫に押し込まれていた釣具をかき集めて車に乗せました。
そしてどうせなら趣味のドライブも兼ねようと思い、いつも行っていた地元の漁港ではなく、隣県にある釣りスポットに行こうと考えました。
辿り着くまでに高速道路が通っておらず下道で5時間程かかる場所ですが、綺麗な海で魚種も豊富と絶好の釣りスポットで、大学時代に行こうと思っていたのですがついぞ行くことはありませんでした。
今こそ大学時代のやり残しを終える好機と思った私は、釣りに行く支度を終えると夕食を取った後、24時ぐらいに目が覚める様にアラームをかけて布団に潜り込みました。
24時、アラームに叩き起こされた私は車に飛び乗って実家を出ました。
道中、某牛丼チェーンで腹を満たしたりしつつも、私は真夜中のドライブの非日常感にテンションがめちゃくちゃ上がっており、車内で一人カラオケ大会をしながら車を走らせていました。
隣県の釣りスポットへ行くには二つのルートがあり、山中を抜ける山ルートと海岸沿いを延々と走る海ルートの2つがあり、私は海ルートを通っていたました。
山ルートは以前釣りスポットへ行くのとは別の目的で隣県に行く際に通った事があるのですが、昼であるにも関わらず暗く不気味で道は急なカーブと坂道が多く、何より大きな鹿が飛び出してきて衝突事故になりかけた事があった為、夜中の野生動物が動きだすような時間に行きたいとは全く思えませんでした。
そんな海ルートは県境に海側に突き出す様にそびえ立つ山があり、隣県に行くにはその山に掘られたトンネルを抜ける必要があります。
そのトンネルで、不可思議な事は起きました。
午前2時頃の誰もいない田舎道なのをいい事に変わらずアニソンを爆音で流して1人カラオケ大会をしていたその時でした。
べこん べこん と車の天井が凹んだ様な音がしました。
最初はこんなうるさい音を流しているのもあり気のせいかと思っていたのですが、トンネルを抜けてもべこん べこん と一定のリズムで天井から音が鳴ります。
普段、幽霊などの非科学的な存在は信じていない私も、流石にこの時は肝が冷えました。
音はトンネル内から発生し出したので、猿などの野生動物が乗っかったというのはあり得ませんし、仮に落石が当たったとしても、この様に等間隔のリズムでべこん べこん と音がするのもあり得ません。
恐ろしくなった私は更にカーステレオのボリュームを上げ、喉が潰れるぐらいの大声で歌いました。
しかし、音を発生させている元凶はそんな私の事なんて気にせずに天井をからべこん べこん と音を発生させ続けます。
音がするだけなので何か実害があるわけではないのですが約10km程の間、不気味な音は鳴り続けていました。
そして10kmあたりを過ぎるとなぜかピタリと音は止まり、それ以降鳴る事はありませんでした。























話が長過ぎません?不要な部分が多く要点までが長すぎてリタイアしました