これは私がとある駅のホームで体験した話です。
私は出勤中で、都内の某路線のホームにいました。
しばらく電話連絡ができない旨を会社に伝え、連絡が済んだ頃にはもう電車が来ており、ドアが開くと車内はそれ程混んでおらず座れる状況だったと今でも車内の様子まで覚えています。
良かった、座っていけると足を踏み出したところで、不意に右腕を強く引っ張られました。
突然のことに驚き、何をするのかと思わず相手を睨んでしまいましたが、そこには30代くらいの男性がおり、
「あぶないですよ」
と言葉をかけられました。
振り返り前を向くと、今乗るはずの電車がありませんでした。
あらためてホームの先を見ると、まさに電車が入って来るのが見えました。
もし男性の静止がなければ、そのまま線路へと転落していたと思います。
確かに見えていたはずの電車は幻だったのでしょうか…
その後私は「すみません」と小声で謝り、少し離れたドアから乗車しました。
今でも、駅のホームに行くと少し緊張します。あの時、あの人が止めていなければ間違いなく電車に飛び込んでいました。
未だに忘れられません。
あの時、あの人が止めていなければ、と
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