「なんだよ?」
「まさか、あの時見た女の子って言いたいのか?」
「いや、違う…あれ、和田じゃない?」
「は?和田って、転校した?」
全員教室内を見ると確かに小学生時代の和田が当時、自分の席だったところに座っていた。
こちらに顔を向け、ニコッと笑った。
その瞬間、私達は走り出し、その場から離れた。
それから数年後、久々に集まった私達は小学校での出来事について調べてみることにした。
すると、和田が話していた事件に似たようなことは実際にあった。
小学生だった当時はまだスマホは無く、調べるということはしなかった。
亡くなった女の子の名前は和田。
しかし、私達の学校にいた和田とは名前が違っていた。
さらに詳しく調べると、亡くなった女の子には双子の姉が存在していた。
6年生の時にいた和田は実在していた。
和田から聞かされた話は実際に起きていた。
被害者の女の子の名前は和田で、双子の姉がいた。
高校の時に見た女の子は6年生の時の和田。
私達は何を見て、聞いたのか未だに整理できない。
高校の時、見た女の子は同級生の和田と思っていたが、実は亡くなった女の子だったのかもしれない。じゃあ、同級生の和田は何故逃げるように俺らの前から消えたのか。俺らに何故、この話をしたのか。
訳がわからないまま月日が過ぎ、あの出来事も徐々に忘れていた。
あの通学路では、今でも女の子が登校し、母親が見送るという、ごく普通の光景が、夜中に見えるのかもしれない。
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