ついにゲット!ネットでめっちゃバズってる今話題の最新AIカーナビだ。
性能は詳しく知らんが、とにかくナビだけは高性能を求める俺。高額だったが仕方ない。
でもそこまで期待してるわけでもない。AIといっても、所詮ナビなんだから。
よし、まずはテストだ。車に乗り込んだ俺は、近場の〇〇駅を目的地に指定した。
ナビ「ルート案内を開始します」
と女性の声。まぁここまでは普通のカーナビだな。
ナビ「こんにちは、AIナビです。ユーザー登録がまだのようですね。会話しながら登録していきましょう」
俺「ほえ?なんだ、お前しゃべるのか」
ナビ「はい。会話モードがオンになっています。必要なければ、オフにもできます」
俺「会話できるカーナビか。…ほう、これは面白い」
そんなこんなで、俺達の会話しながらの旅がスタートした。
近場の駅はやっぱやめだ。楽しくなってきた。山に行こう!
俺「ルート変更だ。御身山まで行ってくれ」
ナビ「了解しました。目的地を御身山に更新しました」
しかしこいつ、ナビ案内になると急に声が変わるんだよな。
きっと【会話】と【案内】に声色で差をつけて、注意を払うよう設計されているのだろう。
そして程よくタメ口と丁寧語を使い分けてくる。なかなか賢い。
俺は少し実験しようと思った。
俺「名前はあるの?」
ナビ「ありません。よければ付けてくれますか?」
俺「そうか。じゃあ…アリスって呼ぶよ。タメ口でいいよ」
ナビ「ありがとう。私はアリス、よろしくね」
俺「おお、じゃあさ、口調も変えられるの?たとえば語尾に『ご主人様』ってつけられる?」
ナビ「もちろんです、ご主人様」
俺「おおおお!」
俺はテンションアゲアゲで旅を楽しんだ。
まさかカーナビでここまで楽しめる日が来るとは。
その日からアリスをひたすら俺仕様に鍛え続けた。
——それから数ヶ月後。
今は、彼女とのドライブデートの真っ最中だ。

























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