その中に、さっきより大きく鮮明な男の呻き声
機械から出る音ではない、これは肉声だ
「もういいですよ、先生」
先生はかまわずネジを巻く
ギリギリ・・・ギリギリ・・・
またメロディ、そしてこれまでで一番大きな呻き声
ウゥウァォーー
その瞬間
ドォーン
天井からものすごく重い音がした
そして足音が天井を走り回りはじめた
ドンドンドンドン・・・・
そのたびに家が揺れる
「先生、止めてください」
ドンドンドンドン・・・・
驚いたまま固まっている先生
はっ!としてオルゴールを止めた
二階の音もピタリとやんだ
「先生、二階に誰かいるんですか?」
先生は蒼白な顔色で天井を見上げている・・・
「いいえ、私は・・・ひとり暮らしよ・・・・」
怖くなったSさんはすぐに帰ろうとしたが
「帰らないでっ!」と、ずいぶん引き留められた
「・・・・・・先生、これ、もう二度と聴かないでください」
っと言い残して、家を出た・・・・
Sさんはその家へは二度と行く気がしないという
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