「まだ入れるよ」
その子が言った。
「ドア、また開いたから」
俺はその子の手から写真を奪い、無言で走った。
振り返らず、職員室に駆け戻った。
でも、その日の夜、自宅のポストに同じ写真が入っていた。
「21人目」とだけ、鉛筆で書かれていた。
そして翌朝、
その生徒の名前が、出席簿から消えていた。
職員会議で「そんな子、いませんよ」と言われた。
クラス写真からもいなかった。机も、ランドセルも、なかった。
俺の記憶の中だけに、そいつはまだいた。
白線の上を、俺と一緒に歩いていた、
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