翌朝学校へ向かう時間、いつも通りの変わらないMがやってきた。
トンネルをくぐって足を踏み外したことは覚えているが、その後の記憶が曖昧で気づいたら朝になっていたとのことだった。
それ以上この件について俺からは触れていない。
転んで大変だったけど”いい思い出だった”ということにした。
その後俺は予定通りすぐに他県へ引っ越し、現在までMと連絡は取ってはいない。
当時は携帯も持っていなかったし、わざわざ手紙を送ることもしなかった。
今さらながら探してみたが、実名でのSNS登録もしていないようで見つからず、これ以上掘り返すことができないことに安堵している。
親友の身に何かあるかもしれないと思いながら、引っ越しを幸いに何も行動しなかったのは我が身可愛さ故だ。
今さら解決にもならないのに匿名サイトに過去をぶつけているのも、消化できない個人的なわだかまりを少しでも軽くしたいがためだ。
あの時振り返ったMには、何かが取り憑いたのではないか。
Mに取り憑いた何かを、俺は外界へ連れ出してしまったのではないか。
Mは今も無事なのか。
こんな思いがふとよぎる。
四半世紀が過ぎた今でも忘れられない。
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こわ~~~~~
投稿主さん
奇妙山→現在の知明山かな
もしあってたら奇妙山神教間歩で調べてみて。東大寺のお守りは最高のチョイスだったかもね