靴を履き替えることなんか忘れて扉を開けようとした。
開かない。
鍵は開いているのに。
俺はパニックで涙目になりながら昇降口の扉を激しく叩いていた。
今にもあいつが来るんじゃないかと後ろを振り向きながら。
すると徐々にあの音が近づいてきた。
音が近づくにつれて、蛍光灯が点滅を繰り返し出す。
あいつが近づいて来ている。
俺は泣き叫びながら扉を蹴り続けた。
次の瞬間、俺の頭上の明かりが消えると同時に扉が開いた。
急いで這うように出るとすぐ扉を閉めた。
助かった…。
膝に手をついて、息を切らしながら後ろを振り返る。
背筋が凍りついた。
昇降口のガラス戸の向こう側に、そいつが立っていた。
ガラスの向こうで、裂けた口を大きく開きながら、
狂ったように首を左右に振り回している。
まるで俺を探してるかのように、首がしなり、壁や床に当たりながら暴れている。
「ザザ…ギャハハハハハ!!!! アヒャヒャヒャヒャ!!!!」
口からは狂ったような笑い声を垂れ流していた。
*********
そのまま走って家に駆け込んだ。
途中何度も後ろを振り返ったが追ってきてはいないようだった。
あれは一体なんだったんだ…。
とにかくもう忘れてしまおう。
夕食は食べずそのまま自室の布団へと潜り込んだ。
目を閉じるとあの光景がなんども繰り返される。
人間とは思えないあの長い首。ラジオの音声のようなあの笑い声。消えていく蛍光灯。
…俺はいつの間にか眠ってしまっていた。

























きゃあ変人!!!!(ビンタ)
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とても怖い話、、、、、