【実話】幽体離脱ごっこ

空は赤黒くて、街は燃えてて、そこら中から悲鳴が聞こえてくる。
人はいないのに「死」の空気だけが濃く残ってて。

そして、例の公園の奥から、真っ黒い人影の集団が来るのが見えたんだ。
2メートルくらいある、輪郭だけの人型。
全員、血まみれの包丁とか、ちぎれた腕とか、首とか持ってて。

「やばい殺される」って本能的に思った。
すぐ目をつぶって戻ってきたけど、起きたら鼻血が出てた。

頭もめちゃくちゃ疲れてた。
あんなに疲れる夢、他にねぇよ。

でもやっぱ気になって、また何度か試したんだよ。
そしたらさ、明晰夢ってランダムなんだな。
綺麗な世界が見れるときもあるけどさ。

永遠に続く暗い病院の廊下を、上下逆さまの顔の看護師に追い回されるとか。
そのときは左腕をデカいメスで切り落とされて、首も切られそうになった。

リアルすぎんのよ。痛みも、感触も、完全にある。
しかも怖い夢ほど目覚めにくい。夢の中で死ぬ寸前までいってやっと目が覚めるレベル。
また鼻血出てたよ。

今はもうやってない。
マジで、このまま戻ってこれなくなる気がしてさ。

お前らは絶対に試すなよ。