見えてしまったのは今から10年前の私がまだ20代の頃。
私の背後に女性の霊が憑いているのが見えた。
それからというもの、鏡越しに映る自分の背後、窓に映る自分の背後…毎回ではないが、ふとした瞬間に霊の姿が見える。
初めは気味が悪かったが特に身の回りでは害はなく徐々に気にしなくなっていた。
見えても、
「あ、まだいる。」
くらいの感覚になっていた。
月日は流れ、私は結婚し子供にも恵まれた。
普通の幸せな生活を送っていたが、子供が生まれ、1歳を過ぎたあたりからたまに私の背後に目線をやることが増えてきてるのに気がついた。
子供は霊を感じやすいって聞いたことあるからそれかな。と思いあまり深く考えないことに。
子供が大きくなり5歳の時。
私と自宅のリビングで遊んでいると、
「パパのうしろにだれかいるよね?」
と突然言い出した。
私はいつかこの時がくるのではと思っていたが唐突に言われたので驚いた。
「誰もいないよ。気のせいだよ。」
と私は濁した。
しかし、
「ううん。いる。ずっと前からいるよね?」
「だれかいるかな?パパにはわからないよ。」
「ずっとパパのこと見てるよ。ずっと。」
私はそれを聞いて鳥肌が立った。
今まで見えていたのは女性の姿がぼんやりで表情まではハッキリ見えていなかったからだ。
キッチンにいる妻もそれを聞いて固まっている。
その後、妻と相談し、お祓いをしてもらうことに。
それ以降、鏡越しで霊を見ることは無くなり、子供も霊のことを口にすることは無くなったので一安心していた。
それから1年後。
隣の部屋に新しい住人が引っ越してきた。
女性のようでその日の夕方、挨拶のため訪ねてきた。
家族全員で出迎え、軽い挨拶をし、女性は自分の部屋に戻っていった。
女性を見送った直後。
「あの人、隣にきたんだね。」
と子供が呟いた。
私と妻は何を言っているのかその時は理解できなかった。






















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