彼の白い肌がぼろぼろにひび割れたか思うと、もう次にはじくじくと腐ってきている彼の脇が、足首が、脳裏をよぎるのです。
彼があまりに悲惨なので、もう夢を見たくありませんでした。
でも私にはわかっていました。
コメントの通知で、また私は私の投稿を見ることになります。
「奴はとうとう醜い老人になった。俺はそれでよかったなと思う。でも奴の目だけは、どんなに落ち窪んでも光を放っている。あの瞳も潰して、誰も誘惑できないようにきつく縫い付けてやりたい。0点」
“俺”だなんて一人称、私は使わない。私は自分がおかしくなったのを認めました。もうこれ以上は戻って来れなくなると思って、スマホの電源を落としました。でも布団に潜り込むことはできません。
為す術もなく私は身なりも気にせず駅前まで出かけました。世間は通勤・通学の時間帯のようでした。
衰弱した私は、駅前のベンチにやっとのことで腰をかけました。隣には高校生くらいの制服を着た女の子が二人座っていました。
「この人、めちゃくちゃ怖い夢日記つけてるんだよね」
そう言って、笑っている。
「あ、また投稿されてる!」
私はこんなになってまで有名になった自分を唇の端で笑いました。
でも待てよ、私はいまスマホの電源を落としている。
彼女たちが読んでいるのは「俺」が書いた投稿であるはずですが、急にひどく不安になって、彼女のスマホを覗き込みました。
「これで奴の目玉は腐り落ちた。ここまでの道のりは長かった。 -30点」
きゃーと叫び声が聞こえました。隣の女の子たちが泣き叫んでいるのです。でもぼんやりとしてよく聞こえない。女の子たちは震えている。
「この人、この人、夢の人……」
他の誰かの叫び声が聞こえて、スマホのシャッター音が響く中、私は女の子が放り出したスマホを取り上げてSNSの画面を見てみる。
目がひどく粘っこくてよく見えない……。
たしかに私のアカウントの投稿だった。
私はドロドロの指先をスマホに、必死に何度も叩きつけた。
やっとコメント欄が開いた。
「お前もあの子みたいになったねw」
……あの子の美しさはたまたまだったんだ。
次のあの子に嫉妬するやつなんていないだろう。こんな社会の役立たずに。




















ひえええ
ちょっとよかわからない