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心霊

真代さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

ちゃんと謝ったよ
短編 2025/05/03 19:48 3,649view
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思わず押し入れに手をかけて、ゆっくりと開いた。

「なんだよ…これ……」

押し入れの中には誰かが引っ掻いたような傷が無数にあった。木の繊維がめくれ上がり、爪のあとが、まるで猛獣が暴れたかのように散っている。

その傷跡を見て、先程の足跡の違和感にようやく気がついた。

「……指が、多い。」

そうだ、あの足跡、指がやたら多かった。
拭いていてなぜ気が付かなかったのか。

傷を見て、指の数が7本だと気がついた。

もう二日酔いなど忘れていた。

酔っていたから、何かおかしな事をしてしまった。そう自分に無理やりいい聞かせて掃除を終わらせ、シャワーを浴びて、床に入った。

******
深夜に何かを引っ掻くような音で目が覚めた。
嫌な汗が流れるのを感じる。

その音は押し入れの方から聞こえた。

押し入れは掌ほどの隙間が開いていた。

暗い部屋の中、尖った爪の7本指が押し入れの中から襖を握っている。

隙間からは人間の顔の上半分が、襖からこちらを見ている。目は縦に2つ並んでいた。驚くほど空虚な虚ろな目。

生唾を飲み、思い出していたのは、あの日の地蔵。ふと、思ったことをこぼした

「俺…謝った、よな……?」

押し入れが開いた。

テレビの砂嵐に、男とも女とも取れないような声が混じった”音”が背後から聞こえた。

『……本当に?』

[完]

2/2
コメント(2)
  • 怖すぎる…

    2025/06/03/11:31
  • 世の中ごめんでは済まないこともあります。特に酒が入っている時は気をつけましょう。下戸より

    2025/08/29/14:03

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