反射的に横の車を見る。そいつはもう笑っていなかった。驚く程に無表情。口はまだ動いている。
ただ今度は3文字ではなかった。声はやはり聞こえないけど、読めてしまった。
『だ め だ よ』
その男はゆっくりと、こちらを見たままドアノブに手をかけ、ドアを開けた。
そしてまたゆっくりこちらに向き直り立ち上がった。
カチャ! 俺の車のドアロックが勝手に解除された。
俺は車から飛び降りた、必死に叫びながら逃げた。
でも______
車から降りる時、すぐ耳元で確かに聞こえてしまった。
『ま た ね』って。
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