……気づいていない。
あれほど近いのに、コメントに怒鳴っていたはずの俺は何も言わず、ただ怯えて配信を切った。
現実の俺は、スマホを投げた。
真っ暗な部屋の中で、何も見えなくなった。
逃げ出そうと扉に手をかけたが、開かない。
明らかに、外から押さえつけられている感触がある。
「やめろ……やめろよ!!」
泣き叫びながら叩いた扉が、ようやく開いたのは、どれほど経った頃だろうか。
倒れ込むように廊下へ出る。
だが、顔を上げた先――
あの女が奥に“立っていた”。
窓からの街灯に照らされたあの女。
ゆっくりと首を揺らし、動画の中と同じく笑いながら、こちらに歩いてくる。
しかし近づくほどに、その顔は崩れていった。
怒り、恨み、狂気。
そのすべてを押しつぶしたような、表情。
女は俺の目の前に立ち、ゆっくりと、顔を寄せてきた。
耳元で、確かに聞こえた。
「逃がさない」
⸻
翌朝、俺は自室の前で倒れていた。
何もいなかった。……はずだ。
あの日以来、俺はYouTubeをやめた。
動画も、コメントも、ライブも、すべて見ていない。
またどこかで、
“あいつ”が映り込んでいる気がするから。
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Mattyakowai!
女の人こわ!
こういうの好き
怖いなあ