さらに遅くしていく。
「……しね……しね……しね……しね……しね……しね……」
女の声だ。
無機質で感情のない、低く冷たい女の声。
限界まで加速され、人間の耳にはただの高音にしか聞こえなかったそれは、
実は延々と「死ね」と私に囁き続けていたのだ。
理解した瞬間、背筋が凍った。
だが終わらない。
あの低い音の正体を、まだ調べていなかった。
リビングの扉を開けたときに響く、「ヴーーーー」という低音。
今度はそれを抽出して倍速にする。
波形が変化し始め、次第に音が人の言葉に変わっていく。
やがて、明確に聞き取れるようになったその瞬間。
「うしろうしろうしろうしろうしろうしろうしろ」
今度は男の声だった。
今も背後から聞こえている。
私はまだ、振り返っていない。
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いや、マジで怖い。なんで伸びない?
コメントありがとうございます!
元々の文章を一から書き直して編集したので前より怖く仕上がってると思います。
自分で読んでても怖いです。
やまぜき
こういうの好き
コエー
最高に怖いね学校で呼んで死んだ