それなら、昨夜の”それ”は……どうやって、窓の外にいたのか?
第二章 図書館の地下室
翔太が通う大学には、かなり古い図書館があった。
大正時代に建てられた由緒ある建物で、天井が高く、静まり返った空間はどこか不気味な雰囲気を漂わせている。
その図書館には、「地下には絶対に入るな」という噂があった。
職員ですら立ち入りを禁止されており、扉には「関係者以外立入禁止」と書かれている。
だが、なぜ入ってはいけないのかを知る者はほとんどいなかった。
ある日、翔太と友人の中村が深夜の図書館に忍び込んだ。
レポートの資料を借り忘れた中村が、「ちょっとだけなら」と強引に翔太を誘ったのだ。
深夜2時、図書館の裏口から侵入する。
電気は消えており、懐中電灯の光だけが頼りだった。
誰もいないはずなのに、本棚の隙間から視線を感じる気がする。
「さっさと借りて帰ろうぜ」と翔太が促すが、
中村はふと、地下へ続く階段の前で足を止めた。
「なあ、せっかくだし地下を見てみないか?」
翔太はゾッとした。
こんな深夜に、不気味な地下に降りるなんて正気じゃない。
だが、中村はすでに扉の鍵をこじ開けようとしていた。
カチャリ。
「開いた……!」
その瞬間、翔太は確信した。
**「これは絶対に開けてはいけない扉だ」**と。
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