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心霊

どこかで見た話さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

イタダケマスカ?
長編 2025/02/28 15:01 6,294view
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階段を降りると、地下は異様な空間だった。
本が散乱し、壁には何かが引っ掻いたような跡が無数にある。
鼻をつくカビ臭さに混じって、妙な鉄臭い匂いも漂っていた。

「なんだよこれ……」

中村が足元の本を拾い上げた。
そこにはびっしりと何かの名前が書かれている。

「これ、人の名前か?」

すると突然、奥の方から**ガタッ……**と音がした。

二人は凍りついた。

誰かいる……?

「おい、もう帰ろうぜ……」

翔太が中村の手を引っ張ろうとした、その時――

バタバタバタバタ!!!

本棚が勝手に倒れた。
しかも、何かが這いずるような音が響く。

「……タスケテ」

声が聞こえた。
だが、それは……

「タスケテ」ではなく、「タスケテ……イタダケマスカ?」

翔太はもう耐えられなかった。

「逃げるぞ!!」と叫び、必死に階段を駆け上がる。
だが、中村は動けずにいた。

「お、おい……翔太……後ろ……」

震える声に、翔太は振り向けなかった。
ただ、何かがそこにいるのは分かった。
異様に長い腕、爛れた顔、歪んだ笑み。

翔太は叫びながら、中村の腕を掴み、力いっぱい引っ張った。

そして――ギィィ……バタン!!

扉を閉め、二人は必死で逃げ出した。

翌朝、恐る恐る図書館に行ってみたが、地下の扉はしっかり閉ざされ、鍵もかかっていた。
職員に聞いても、「そんなことがあるはずがない」と笑われるだけだった。

3/8
コメント(1)
  • とても怖かったです

    2025/02/28/16:38

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