私が高校生の時の話です。
その当時はテレビで放送していない映画やドラマを見るにはDVDレンタルが主流だったので、何か面白い映画やドラマが見たくなると兄といっしょにレンタル店に行くことが多かったです。
その日もいつものように何か面白い映画はないかと探していました。
DVDの並んだ高い棚に挟まれた通路で、気になりそうなタイトルを探していると、
くしゃっとビニール袋を掴んだ時に出るような音が左から聞こえました。
なんだろうと横を向いた瞬間、ぶわっと全身が猫のように総毛立つ感覚、
頭の中で赤いランプが点滅するイメージ、サイレンの音、
キケンキケンキケンキケンキケンアブナイアブナイアブナイアブナイ
という文字がテロップのように流れました。
まるで漫画のようなイメージですが私はそこにいる何かを本能的に警戒して恐れました。
警戒し、恐れているのに、
そこには何もいません。
霊感がある人なら何か見えていたかもしれませんが、私には何も見えませんでした。
どくどくと嫌な心音に息がしばらく止まったような苦しさで、私はすぐにでも兄と合流して帰りたいと思いました。けれど、万が一見えない何かがついてきたらと思うと恐ろしくなり、しばらく店の中を徘徊し、ほかのお客さんの近くを何回か通ってから合流しました。(ひどい話ですがなすりつけようと思いました。)
それがうまくいったのか、帰る時もそのあとも何事もなく今日まで過ごしています。
そんなことがあった後、しばらくはそのお店には行けませんでした。
それからすっかり忘れたころに何回も店を利用しましたが、あれ以降その何かとは遭うことはありませんでした。
以上、私が体験した怖い話です。
とりあえず粗塩持ち歩くのがおすすめ