どれほどの時間が経ったのか分からない。
天井の模様が次第にくっきりと見え始め、アイツは消えていった。
やり過ごせたのか……?
だが、まだどこかにひっそりといる気がしてならず、気を抜くことはできなかった。
俺は朝まで、ずっと天井を見つめ続け夜が明けるのをまった。
翌朝、俺は 逃げるように 実家へ転がり込んだ。
あの家の近辺に近づくことさえも恐ろしく、決まりかけていた仕事も辞退した。
しばらく実家で生活させてもらい、怯えながらもアイツを再び見ることはなかった。
不慣れな環境とか、前の職場のストレスのせいで見た悪い夢だったんじゃないかと思い始めてきたそんなある日、母親と夕飯を食べていた時、何気なく聞いてみた。
「そういえばさ、じいちゃんって、なんで死んだの?」
「んー?溺死よ。」
母はあっさりと答える。
「は? 溺死? 家の中で?」
「言ってなかったっけ?おじいちゃん酒飲みだったからさ、酔っ払ったままお風呂入っちゃったのよ。浴槽の中で寝ちゃったみたいでね。一人暮らしだったから……。あんたも気をつけなさいよ!」
少ししんみりとした空気を変えるように、俺の肩を軽く叩く。
──忘れかけていた アイツの存在 が、頭をよぎった。
まさかな……
手に持っていた味噌汁の茶碗に視線を落とした。
水面に、何かがチラついた気がして、慌てて箸でかき混ぜた。
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怖っ
じいちゃん「よぉ久しぶり」語り主「まじか」じいちゃん「おおまじ元気ピンピンだよ」
ずっと、憑いてくる…
怖?
プニョにょんパッピーにょ